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 裏寒風(10.09.11)

うらかんぷう


 

物語(時間のある方はどうぞ)

2010年9月11日 

先日断念した念願の裏寒風 天気はまずまず 旧寒風山トンネル北口の駐車場には軽四一台 すでに出発しているようだ 見上げると遙か上空に寒風山の岩峰が見える あの直ぐ下を左に巻いて崖をロープづたいによじ登れば頂上は直ぐ 通常ルートでは2時間半程度かかるので、うまくいけば3時間程度と予想

スタートすると直ぐに登山道脇にヤマブドウがたわわに カミさんは食べたかったようだ その直ぐ先に石垣と建物の基礎が かなり古い こんな所に何のための建物だったのか
登山道はそれとなく分かる程度の道 よく見ると赤や銀のテープが木々に巻いてあるが、なかなか見つかりにくいところもあって少し迷っては元の道に戻り、辺りをよく見回してテープを確認

直ぐに道は急勾配となり、足下も滑りやすくなってきた 木や枝を掴んで足と手で登っていく さすがにきつい急登 そして次第に 巨岩が現れ始めると、それを巻いたり越えたり 越える際にはよじ登ることになるが、そこには親切にもロープが完備 私達年寄りには大助かり
しかし、かなり急勾配の坂に加えて険しい尾根づたいのルートなので、両脇もかなりの勾配で落ち込んでおり、高所恐怖症の私にとっては精神的なプレッシャーもかかる

この間には楽しみにしていた山野草はあまり見あたらず、シコクママコナの群生地、時々アサマリンドウ、岩の根元にダイモンジソウ

1時間ばかりのところで岩をよじ登ると視界が開けた 展望台だ 西には桑瀬峠から続く伊予冨士、そして西黒森が見える そして真正面には寒風山の険しい岩肌が 目的の岩峰は遙か上空  あと2時間でいけるか? 

またまた茂みの中をよじ登っていくと2番目の展望台に着く ここでやっと桑瀬峠の高度を超えたようだ しかし、目前に見える寒風山の急峻な岩峰の間をどのように縫って登っていくのか

いよいよ切り立った岩峰の下にはいると、そこはいくつもの殆ど水は流れていない沢 とはいえ、そこにはお花畑が シコクフウロ、サラシナショウマ、レイジンソウ、シコクブシ、ハガクレツリフネ等々が群生している

嬉しくなってシャッターを押すものの、足場が悪く油断するとずり落ちそうになるくらいの急斜面 割れた岩盤の 破片がたくさん重なっているので、踏むとズルズルと落ちてしまう

そこを越えると岩峰と岩峰の間の少し緩やかな地帯に入る 緩やかといってもきつく、足下がゆるいので登りにくいことには変わりはない 

が、しばらく登っていると標識が 右へ行くと登山道 左に行くと寒風山  ここは一度来た道だ もう残りは計算できる それにこのあたりに目指すセンダイソウがあるはず
探してみると、まずダイモンジソウ、そしてテバコマンテマが そしてカミさんがついにセンダイソウを発見 しかし、殆ど蕾 葉っぱは確かにセンダイソウなのだが、まだ咲いていないのか、それとも終わったのか
たった一つの花を何度も撮影

そのとき下の方から人の声が その人たちの姿を見ることなく私達は寒風山目指して登山再開 ここからがまた急登でしかも足下が ゆるい カミさんと共に次第に体力が落ちてきた
途中で昨年イワギクを見た場所が分かったので脇道に寄ってみると、今年も咲いていた しかし、あの時にあったウメバチソウは見つからなかった

やっと最後の岩峰の下に来て、そこは風通しも良く日陰でもあるので、ここで少し早い昼食タイム 体力も尽きてきた 少し長めの休憩 カミさんは靴を脱いでくつろいでいた 
そこへ上から夫婦連れが降りてきた 「下へ行くんですか?」と訊くと、「いえいえ、途中まで 下から来たんですか?それは大変」かなり慣れた人たちとお見受けした
おっしゃるように上から降りて、先ほどの三叉路を上に上がれば一般登山道 その間に裏寒風の美味しいところは凝縮している まさに裏寒風銀座

私達も次回からはそうすることにしたが、今回の帰路は一般登山道を下ることに 

休息後は最後の力を振り絞って岩峰を制覇 慣れ親しんだ岩峰の上の道に出たが、出てみるとあたりはガスで下方の視界は無し どこを登ってきたのか確認のすべは無し

ゆったりと南側登山口に降りて、旧寒風山トンネルを歩いて北口へ車を取りに行かなければ カミさんをトンネル南口に休ませ、私が一人でトンネルを歩いたが、これが約1kmもあり、中は真っ暗 手に白いタオルを巻いて、それを通過する車に見えるように振り回しながら 

やっとの事で車にたどり着いた次第 そして裏寒風アドベンチャーは終わった

 

タイムスケジュール

自宅 5:50〜8:10 裏寒風登山口 8:20〜12:20 山頂付近の道に合流
 

 

登山ルート

カシミール画像




Google Earth 画像

 

登山口
   
駐車場より登山ルート方面 目的地は遙か上空 旧寒風山トンネル北口 右手前が駐車場 カミさんはすでにスタート 登山口の標識も見える
   

 

登山道

よく気をつければ道に迷うことはないが、スタートして直ぐに急勾配が続く 
足下も滑りやすいので木や枝に掴まって登る


難所

久しぶりに手強い道 崖にはロープがあり助かる
   

 

初めの展望台

登り始めて約1時間 岩をよじ登ると視界が開けた 展望台のよう 
まだ桑瀬峠の高度まで達していないのが分かり、あらためてため息をつく



前方を見れば目的の岩峰は遙か上空 あそこまで2時間でいけるだろうか

 

 第二の展望台

岩場をよじ登る 右手も手前も怖い崖 登ってホッとしたが、まだまだ先は長い ここでやっと桑瀬峠の高度を超えたようだ

目指すは中央左の岩峰 ここからどうやってあそこに辿り着けるのだろうか

振り返れば伊予冨士、西黒森が見える 


山頂付近

展望台からは樹木の生い茂った中を深く静かに潜航するがごとく、ササの葉が茂る斜面を登った
足下が不安定で滑りやすく、木の枝やササをしっかり握っていないと滑り落ちそう
沢をいくつか越えるが、浮き石を踏んだら奈落の底まで落ちそう 慎重に

やっとの思いで見覚えのある道に出た そこからは一度通った道 とはいえ急勾配は続き 私達の体力も次第に落ちてきた

3時間を過ぎ、岩峰の直ぐ下の日陰でお弁当タイム ブヨもおらず涼しい タップリと休息
慣れた夫婦が降りてきた この道を降りて途中から一般登山道へ出るらしい それは正解 以降私達もそのルートをとりたい

30分以上タップリと休息後最後のアタック ついに山頂付近の道に出た スタートから4時間もかかった
苦しかったものの、裏寒風を制し、たくさんの山野草に出会い、満足感はタップリ

 

 

この日出会った山野草達

 

ヤマブドウ

 

アサマリンドウ
   

 

シコクブシ
   

 

 

シコクママコナ シコクフウロ
   

 

ヒナノウスツボ 

 

 

レイジンソウ アキチョウジ
   

 
ハガクレツリフネ

葉っぱの下から花がぶら下がっているのがよく分かる



 

シラネセンキュウ
   

 

オタカラコウ オオバショウマ
   

 

テバコマンテマ

 

ダイモンジソウ
   

 

 センダイソウ

一番期待していた花だが、今年は裏年か? 殆ど花が咲いていない 残念至極

 

ルイヨウボタンの実 イワギク
   

 

オトギリソウ フクオウソウ
   

 

 

シオガマギク ヤマジノホトトギス
   



 ツルニンジン

下山中に、登山道の脇に 橋本さんが植えたツルニンジンが咲いていた
近くで弱っていたのを植え替えたもの 元気に咲いていた





大きなガマガエル

昼食の間私達の直ぐ下の方でジッと佇んでいた エサの虫が近寄るのを狙っていたのかも

 

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